こけしの由来とその意味がココにあった!?伝統の本当の真実!!
古い民芸品といった感じの「こけし」ですが、実は、今、海外や若い女性の間で人気になっていて、フランスのパリでは、なんと今、こけしブームといいます。
そして、アメリカのニューヨークのある大型店では、商品を仕入れてもすぐに売り切れてしまうほど、こけしが大人気とのこと。
でも、そもそも「こけし」とは何なのか、あなたは知っていますか?
「こけし」の由来とその意味の秘密、そして、「こけし」という呼び名となった不思議な語源についてをお伝えします。
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こけしの由来とは!?
「こけし」とは、木製人形で、丸い頭に円筒状の胴体からなっている特徴的な人形です。そんなこけしですが、現在では、古くからある伝統的な民芸品である置物ということが広く一般的に知られています。
そのこけしの由来は、江戸時代後期ころなのですが、実は、「こけし」の誕生は、なんと温泉地のお土産物だったのです。
その「こけし」、最も古い物は、宮城県の蔵王連峰の東麓の遠刈田(とおがった)で作られ始めたといわれており、その後、福島県の土湯(つちゆ)でも作り始めたとされています。
宮城県の遠刈田の場所はこの辺↓
福島県の土湯の場所はこの辺↓
そして、それが東北地方の特に温泉地を中心に「こけし」は広まっていきました。
「こけし」を作る人は、その土地の木地職人が器や盆などを作りながら、そのかたわらで作っていました。いわゆる副業ですね。
そして、実は、最初、なんと温泉地に来る湯治客のために、子供のための安価なおもちゃとして、お土産として作ったのが、由来だったのです。
「こけし」の由来は、「子供のためのお土産」だった。
今でも、子供がおままごとなどで人形遊びをしますが、当時は、プラスチックやセルロイドなどの材料は手に入らなくて作ることができなかったでしょう。
だから、身近にあって簡単に手に入る木で、子供に喜んでもらえるような人形を作ったんでしょうね。
こけしは、現代のリカちゃん人形のような存在だったのかもしれません。こけしも女の子ですし。
そして、こけしの名前の意味ですが、その語源からまた様々ですので、それは次にお伝えします。
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「こけし」の意味はその語源からいろいろだった!?
実は、「こけし」の意味は、その昔、こけしの語源からの意味がいろいろと諸説あったため、全国各地で少しずつ呼び名、名前が違っていました。まず、木で作った人形という木偶(でく)からの語源からの意味で、
「きでこ」、「でころこ」、「でくのぼう」
赤ちゃんが這い這い(はいはい)していることを模しているので、這子(ほうこ)からの語源からの意味で、
「きぼこ」、「こげほうこ」
芥子人形からきた芥子(けし)からの語源からの意味で、
「こげす」、「けしにんぎょう」
などと呼ばれていました。
「きでこ」「でころこ」「でくのぼう」「きぼこ」「こげほうこ」「こげす」「けしにんぎょう」
このように本当にこけしの語源からの意味が様々であったため、いろいろな呼び方、名前があったのです。
同じ物なのに、全国各地でこれだけの呼び名、名前があると、正直、混乱しますよね。
そこで、呼び名、名前を統一しようという動きになります。
こうして現在の「こけし」という呼び名、名前が広く用いられるようになったのは、昭和15年で、1939年(昭和14年)に宮城県大崎市の鳴子温泉(なるこおんせん)で行われた「全国こけし大会」です。
ここで、「こけし」に統一しようということになり、「こけし」という呼び名、名前が現在では、一般的に広く知られるようになったのです。
宮城県大崎市 鳴子温泉の場所はこちら↓
現在では、毎年9月の第1土・日には、鳴子温泉で「全国こけし祭り」が行われ、滅多にない東北地方の各系統のこけし工が一同に集まります。
そして、製作・実演・販売やこけし供養、こけし奉納、お神輿で町内一周やパレードなど、その日は、こけしづくしとなります。
こけしの絵付けやいろいろな体験、イベントもあるんですよ。
↓こけしは、こんな感じで作っているんですよ。まずは、必見!こけしの制作をご覧ください。
「全国こけし祭り」が気になって行きたくなった方はぜひこちらをご覧ください↓
「「全国こけし祭り」の詳しくはこちら」(大崎市鳴子総合支所地域振興課/鳴子温泉郷観光協会)
ちなみに、こけしの由来や意味が「こけし=子消し」からきていると、なにか哀しい感じの説を聞いたことがあるかもしれませんが、それは俗説です。
東北地方には、子消しと呼ばれる口減らしの風習が不確かですがあったといわれていて、それが数々の記述や小説などに書かれたことにより広まったといわれています。
口減らしとは、経済的な負担を軽くするために、子供を奉公に出したり、養子にやったりして、養うべき家族の人数を減らすという意味。
その昔の東北地方の冬の寒さや生活の厳しさと貧困、誰にも頼ることができないと思った孤独感や不安、悲しみなど、様々な想像から感じて、人の心に響いて数々の記述や小説などに取り上げられることが多かったのかもしれません。
まとめ
「こけし」の由来は、江戸時代後期で、そのはじまりは、宮城県の蔵王連峰の東麓の遠刈田(とおがった)で、その後、福島県の土湯でも作り始め、東北地方の温泉地を中心に「こけし」は広まっていきました。その「こけし」は、温泉地に来る湯治客の子供への安価なおもちゃとして、お土産として作ったのが由来ということでした。
「こけし」の由来や意味、語源については諸説あり、その昔は、全国各地でいろいろな呼び名や名前がありました。
それが、広く「こけし」と呼ばれるようになったのは、1939年(昭和14年)、宮城県大崎市の鳴子温泉(なるこおんせん)で行われた全国こけし大会で、呼び名、名前を「こけし」に統一しようということでそうなりました。
現在では、古い民芸品、置物といった感じが一般的で、こけしの由来である子供のおもちゃとしては、今やセルロイド製の人形が主流で、おもちゃとして子供が遊ぶ姿はほとんど見られなくなりました。
しかし、最近、趣味で民芸品を集めるの人が増え、海外の人までもが「こけし」の魅力に取りつかれていて、話題やブームになっています。
また、「こけし」は、手作りで作るものなので、一点ものであるということが、収集する人の心をくすぐるようです。
こんなこけしが海外の人へのお土産として人気です。
こけしの詳しくはこちら↓
伝統的なこけしの表情とはまた違い、かわいらしい感じですよね。
日本の昔からの伝統的なこけしは、今や進化を遂げていて、今日では世界的なおしゃれなインテリアの小物として重宝されています。
温泉地の湯治客への子供のおもちゃ、お土産として作った「こけし」が、今やこのような存在になるとは、誰もが考えもしなかったでしょうね。
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昔、飢饉でやむを得ず間引いた子の供養に作られたのがこけし、すなわち子を消す、こけしとなったと聞いた事がある。
つぐみさん、コメントをわざわざありがとうございます。
感謝です!
それで、「子消し=こけし」についてですが、つぐみさんがいわれるように、一説としてはあるのですが、根拠はないようですよ。
ただ単に、「子消し=こけし」と語呂合わせで当てはまってしまうことから、
この一説が広まったとされ、後付け的なもののようです。
実は「殺す=消す」という言葉の表現は、最近の表現方法で昭和40年頃からされ始め、昔は殺すことを消すという表現はしませんでした。
「こけし」という名前は、記事の通り、昭和14年に統一されました。
したがって、昭和14年~昭和40年まで、「子消し」(子を殺す)という表現は存在していなかったのです。
「殺す=消す」という表現は、昭和40年以降になりますので、ありえない話ということになり、後付け的なものということになるわけです。
あるテレビで「子消し=こけし」であるということを悲劇的なこととして紹介されたことがあり、それを見た人の感情にふれ、一般的に広まったとされているようです。
したがって、「子消し=こけし」という一説としてはあるのですが、根拠はないです。
木彫りで子供の姿を象るから木化子(こけし)とかではないかと勝手に推測していましたが、この記事で長年の謎が解けた気がします。
そのような経緯で決められた名前だったのですね。
小倉百弌様、コメント大変ありがとうございます!
私も以前、小倉百弌様と同じようにいろいろと推測をしていましたので、それを調べてはっきりしてスッキリしました!
小倉百弌様の謎が解けてとても嬉しいです。