勉強中に音楽を聴きながらやると…その効果に意外な真実が!
最近、子供が勉強するときに音楽を聴きながらやっていました。
耳にイヤホンを入れて、タブレット端末に入れたお気に入りの音楽を聴いて勉強をやっているわけです。
その様子を見ていたら、
なんてやりとりがあったわけです。
確かに、お気に入りの音楽を聴きながら、勉強をすれば、嫌な勉強がスムーズに効率的にできそうに思えます。
実際に、私も学生時代、音楽を聴きながら勉強をしていた時がありました。
その時は、何だか勉強がはかどったような気もしていましたが、
「しかし、本当にそうなのか?」
だれもが音楽の効果を信じていますが、実際に科学的にどうなのでしょうか?
ここではっきりさせたいと思い、勉強するときに音楽を聴きながらやると効果があるのか、いろいろと調べましたのでお伝えしたいと思います。
勉強するときに音楽を聴きながらすると…
ズバリ結論から言うと、勉強するときに音楽を聴きながらすると効果が下がるということがわかりました。
勉強の効率が上がるどころか、逆に、脳のパフォーマンスが下がってしまうという実験結果があるのです。
2007年、イギリスのグラスゴー・カレドニアン大学が行った実験では40人の被験者に対して、以下の4つの環境の中で認知テストを行いました。
- テンポの速い音楽が流れている
- ゆったりした音楽が流れている
- 波や小鳥などの自然の環境音が流れている
- 完全な無音
その結果、はっきりとした結果がでました。
音楽を聴きながらテストを受けた被験者は、みんな点数が下がっていたのです。
引用 – HARBOR BUSINESS Online
もう一度いいます。
音楽を聴きながらテストを受けた被験者は、みんな点数が下がっていました。
そして、一番成績が良かったのは、なんと無音状態でテストを受けたグループ。
反面、一番成績が悪かったのは、テンポの速い音楽が流れているグループでした。
テンポの速い音楽だとノリノリで勉強ができそうに思えますけど、かえってダメなんですね。
勉強をしているはずなのに、音楽の方ばかりが頭に入ってきて、集中できないのでしょう。
ただし、ここで疑問がひとつ!
この実験では、研究者が選んだ音楽を使ったため、「自分が好きな音楽を聴きながらだったら効果があるんじゃないの?」と思ったりもします。
たしかに、聴いたこともない、知らない音楽は聴いていてもつまらないですし、気分がのりません。
そんな音楽を聴きながらやっても、逆に勉強するのに悪影響がでそうです。
ある人にはいい音楽でも、ある人に不快だったり、ストレスだったりします。
実は、私の妻はGLAYの大ファンでロック好きなのですが、妊娠して子供がお腹にいるときに、クラシックのモーツアルトの曲がいいということを知りました。(ネットで「モーツアルト 胎教」と検索するといい効果があることがわかります)
そこで、私がこのCDを購入しました。
100曲モーツァルト [ (クラシック) ] |
100曲も入っているのでお得ですし、気に入る曲が入っているだろうと思い購入しましたわけです。
しかし、妻は「聴いていると逆にストレスがたまる!聴かない方がいい!」と言われました(^^;
だから、音楽は自分が好きな曲を聴いた方が気分がいいですし、さまざまな効果があると思われます。
そこで、いろいろと調べてみたら、自分が好きな音楽を使って行った実験がありましたので、次を見ていきましょう。
好きな音楽を聴きながら勉強すると!?
ここで、イギリスのウエールズ大学が2010年に行った実験がありました。
研究チームは、被験者を以下の3つのグループに分け、認知テストを行いました。
- 自分の好きな音楽を聴く
- 自分の嫌いな音楽を聴く
- 完全に無音
その結果、一番成績が良かったのは、無音状態のグループ。
音楽を聴きながらやったグループは、好きな音楽でも嫌いな音楽でも、どちらも成績が50%も下がってしまったというのです。
引用 – HARBOR BUSINESS Online
50%も成績が下がるとは驚きです。
いくら自分の好きな音楽を聴きながら勉強をやっても、脳のパフォーマンスに悪影響が出て、音楽によって効果が50%も下がるわけです。
これを知ると、音楽を聴きながら勉強をやるともったいないと思いますね。
極端な話、同じ時間勉強したとしても、半分しか頭に入らない、半分しか効果がないことになります。
せっかく勉強するのですから、効果的に、効率的にやりたい。やらせたいものですよね。
でも、なぜ音楽を聴きながら勉強をやると、脳のパフォーマンスに悪影響が出てしまうのか?
その理由については次に見ていきましょう。
なぜ音楽を聴きながら勉強をやると悪いのか?
音楽を聴きながら勉強をやると、なぜ成績が悪くなるのか?
それは、脳の仕組みにあります
私たちの脳はマルチタスクができない、複数の作業を同時にこなすことができない仕組みになっているからです。
私たちの脳をパソコンに例えてみましょう。
勉強しているときに、音楽を聴くとします。
そうすると、脳は音楽を聴くための情報処理のスペースを割いてしまいます。
そこで脳に負荷がかかってしまい、勉強の処理スピードが遅くなってしまうわけです。
これは、私たちがパソコンを使っているときに、あるいはスマホを使っているときに経験したことがあると思うのですが、いろいろなファイルやアプリを同時に立ち上げると、スピードが遅くなった経験はありませんか?
これは、CPU処理速度が下がってしまうから遅くなってしまうのです。
これと同じように、音楽を聴きながら勉強をやると、肝心の勉強の効率が低下してしまうわけです。
また、アメリカの歴史あるアトランティック誌でも、「認知的な要求が高い作業の場合のほとんどは、静寂以外のものはすべてパフォーマンスに悪影響を与える」といいます。
よくよく考えればわかることですが、音楽を聴きながら勉強するということは、視覚と同時に聴覚も使っているということになります。
神経を同時に2つのことに使うことになるため、集中力が分散されて半減してしまうのです。
特に、暗記をする場合、暗記する内容以外の情報が頭に入ってくるため、間違いなく効率が落ちます。
そのため、音楽を聴きながらの勉強はよくない場合が多いです。
ここで、あなたは音楽を聴きながら勉強をしていて、歌詞を口ずさんだことありませんか?
お気に入りの音楽を聴いてノリノリになり、つい歌詞を口づさんでしまう。ありがちです。
これはもう音楽にのめり込んで、勉強に集中できていない証拠です。
勉強にいいはずはありません。
勉強するときには、私たちの脳にとって音楽は負担が多き過ぎるようで、音楽を聴きながらするとよくないのです。
また、試験中は音楽がない静かな環境でやるので、やはり勉強も本来は静かな環境でやるのが望ましいです。
ただ、私もそうですが、「お気に入りの音楽を聴きながら、勉強をするとスムーズに効率的にできた!」と思ったことがありませんか?
しかし、それは、勉強中にお気に入りの音楽を聴きながらやるとノリノリになるため、気分が良くなった状態を「勉強の効率が上がった!」と勘違いしてしまうことによることが多いです。
実際には、勉強しても頭に入っていないのですね。
しかし、実は、勉強に音楽の効果を活かす方法があるというのですが、それは次にお伝えします。
勉強に音楽の効果を活かす方法とは!?
早速ですが、その方法とは、ズバリ!
「勉強の10~15分前に好きな音楽を聴いておく」
というものです。
たったそれだけなのです。
勉強中ではなく、勉強する前に好きな音楽を聴くのです。
そして、勉強の効果をさらに上げるための方法があるというのですが、その具体的な方法は以下のとおりです。
- 勉強の10~15分前に好きな曲を聞く
- 完全に無音の状態で勉強スタート
- 30~40分でいったん勉強を休んで再び好きな曲を聞く
- 完全に無音の状態で勉強を再スタート
ウェールズ大学の研究者によれば、あらかじめ好きな曲を聞くことで脳内にドーパミンが分泌されて集中力が高まります。
引用 – HARBOR BUSINESS Online
ドーパミンとは、私たちをやる気にさせる神経伝達物質。やる気や集中力、生産性を上げるカギとなるものです。
そのドーパミンの効果を使って、一気に勉強に取り組むわけです。
このように勉強で音楽を聴くことで大きな効果を得る方法がありました。
音楽の聴くタイミングが重要だったわけですね。
勉強をやる前に音楽を聴く。ぜひ習慣にしたいものです!
さいごに
子供が音楽を聴きながら勉強をやりだしたので、いろいろとはっきりさせるために今回調べました。その結果、勉強は高度な認知能力が必要になるので、音楽を聴きながら勉強をやるとよくないし、好きな音楽を聴きながらやると一番よくないことがわかりました。
ただし、勉強の10~15分前に好きな音楽を聞いておくと集中力が高まることがわかりました。
例えば、アスリートもよく試合前にイヤホンを耳に入れて、音楽を聴いている光景をよく見たことがあると思います。
最近では、フィギュアスケートの羽生結弦選手が試合前に集中するために、耳にイヤホンを入れて音楽を聴いている映像がすぐに思い浮かびますね。
完璧に自分の世界に入っている感じがします。
このように、集中したい前に、音楽を聴くのに効果があるのです。
勉強するときの音楽の使い方について、今回、はっきり子供に伝えようと思います。
せっかく勉強するなら、効果的に効率的にやった方がいいですからね。無駄な時間を費やして、勉強はしたくないものですから。
追伸
私がこの事実を子供の頃に知っていたら、もっと勉強ができたんじゃないか……と思って後悔しているパパでした(^^;
しかし、そのことをママに言ったら、
と厳しいコメントを頂戴しました。
最後まで記事を読んでいただきまして大変ありがとうございました!
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